ハードオフお買物日記(2013年12月1日)

SONYカセットデッキ TC-2020編

SONY STEREO CASSETTE-CORDER TC-2020
2013年12月1日(日)ハードオフ中条店で購入ジャンク品(動作しません)105円
(一部の写真を除き、拡大画像をご覧いただけます)

この製品は以前ご紹介しましたTC-3250SDよりも古い製品で、
オーディオの足跡様によれば1973年に29,800円で発売され、後年32,800円に改定されたようです。
ドルビーなし、テープセレクタもNORMALとCrO2の2ポジションのみ、おそらく一番下のクラスの製品だったのでしょう。

電源コードには1973という印字がありました。

このデッキは1ヶ月以上前から中条店に置いてあったものですが、ダストカバーはキズだらけ、
アルミの部分の腐食は激しく、汚れた手で操作したらしく押しボタンは油にまみれていました。
電源コードはペタペタして触るのも躊躇われるほどおぞましい状態でした。
おまけに値札には「動作しません」と書かれていました。


この当時はこの製品のように水平タイプのデッキが主流でしたが、
中でもこの機種のように操作ボタン以外の部分を全て覆いつくすカバーの付いた製品に私は魅力を感じていました。

何の収穫もなく手ぶらで帰るのもアレなので電源チェックだけでもしてみるかと思って店内のチェッカーにかけてみたところ、
メーターの照明が点灯、再生ボタンや巻き戻し、早送りボタンもちゃんと作動することがわかったので確保した次第です。


カバーは単なる「開」「閉」ではなく、3箇所でストップするようになっていて非常に使い易いです。
この写真は全開状態ですが、これ以上開けようとするとカバーが外れる仕組みになっています。

そして帰宅後にダメになってもいいテープを入れて再生ボタンを押してみたところ、
ヘッドフォン端子からもLINE OUT端子からも無事に音が出てきました。
「動作しません」という表示はいったい何だったのでしょう。


カバーを閉じた時の姿に何とも言えないカッコ良さを感じていました。
カバーは完全な透明ではなくてスモークになっている所も良い雰囲気ですね。

ボタンをきちんと押し込まないと戻ってくることがたまにあるのですが、それをもって「動作しません」としたものなのか・・・
まさか左側の電源スイッチを入れずに動作確認したとか・・・、そんなことはないとは思いますが。


底部のベーク板を外すと新品のような輝きを保ったメカが見えてきました。
周囲には化粧板が張られていますが、筐体自体はプラッチックですね。
基板部分に丸い調整穴がいくつも開いていて「録音レベル、録音バイアス、メーター、出力(順不同)」を調整できるようになっています。

2つある四角い穴は録音用のスイッチで、録音ボタンを押すと機械的に押し上げられる構造になっているのですが、
基板をちょっと浮かしただけでも押し上げ用の金具がずれてしまって録音が機能しなくなってしまいますので、
基板を留めてあるネジを外した際は要注意です。


ベルトの緩みも少なく、比較的良好な状態が保たれていました。



ヘッドフォンジャックにも"JAPAN"の刻印がありました。



ダストカバー上部左側には"SONY"の浮き文字が、



右側には"TOKYO JAPAN"の浮き文字がありました。
高度成長期末期、オイルショック前夜の、日本が一番勢いのあった時代の製品ですね。



録音ボタンを押すと赤いランプが点灯し、VUメーターが振れてスタンバイ完了です。

ノーマルテープが入っているのにテープセレクタがCrO2になっているというご指摘はご容赦ください。

この録音ボタンと再生ボタンを同時に押すという行為、若い人には理解できないでしょうね。
テープを少し送っておいたりポーズボタンを押しておいたりして、
お目当ての曲が始まる直前にポーズ解除、エアチェックブームには誰もが経験した行為ですね。

手持ちのハイポジション用のテープを使って録再テストをしてみたのですが、
かなり高音域が強調されて録音されるようです。
同じくSONYのTA-1150Dに接続する場合はハイ・フィルターをONにしてちょうどいい感じです。

当初、触るのもおぞましいほど汚い状態でしたが、清掃したらかなりきれいな状態になりました。
さすがにアルミの腐食部分はどうにもなりませんが、それ以外はとても40年が経過した製品とは思えない状態です。
音質はまあそれなりですので実際に使用するには適さないと思いますが、
70年代を演出するには絶好のアイテムだと思います。

TA-1150D、ST-5150D、そして今回のTC-2020と来て、
あとは同じくSONYで木目調のレコードプレイヤーの初級から中級品の稼動品が手に入れば完璧なのですが、
なかなか店舗には出回らないようですね。


HOME
2013年12月1日

安良町経由村上行き
Copyright(C)2013 "Aramachi Transport Museum". All Rights Reserved.