ハードオフお買物日記(2009年4月11日)

SONYカセットデッキ TC-3250SD編

SONY STEREO CASSETTE-CORDER TC-3250SD(1975年発売 定価59,800円)
2009年4月11日(土)ハードオフ新津店で購入ジャンク品(電源入りました、その他未チェック)315円
(全ての写真は拡大画像をご覧いただけます)

この手のカセットデッキを見て懐かしさを感じる人はそれなりの年齢ということになると思いますが、
現在のような前面操作型のカセットデッキが主流になる以前、
1970年代の半ば頃まではこういうデザインのカセットデッキが主流になっていました。

録音用ボリウムはLINEとMICの2系統で左右独立しています。
ヘッドフォン端子も装備していますが、再生用のボリウムは装備されていません。


放送局のミキサー卓などを思わせるデザインです。

オーディオラックの上面に乗せておくことを念頭に置いたデザインですが、
ダストカバーの付いた製品もあり、この機種にも別売りでダストカバーが用意されていたようです。

テープセレクターはNORMAL, Fe-Cr, CrO2の3ポジション、
ドルビーNR(Dolby-B)及び録音時の過大入力を避けるためにLIMITERが装備されています。
またテープの種類の検出用と思われるレバーが付いていますので、
録音時のバイアスは自動設定なのではないかと推測されます。

主なスペック
(コース別冊 ヤング・オーディオ・ナウ’76より)

回転ムラ:0.1%
SN比:54dB
ドルビーシステム内蔵
テープセレクター:3段切換
寸法:386X126X240mm/重量:4kg

当時のオーディオファンはこの回転ムラ(ワウフラッター)の数値に異常なほどに敏感で、
0.15%位ですと「うーん、まあまあかな」と言った感じで、
0.1%では「なかなかいいなあ」、0.07%になると「おお、すごいなあ」という感じでした。


ヘッドやピンチローラー周辺も比較的キレイな状態でした。

構成はオーソドックスな2ヘッド構成で、磨耗に強いフェライトヘッドが採用されています。
ピンチローラーもそれなりに汚れていますが、醜いほどではありません。

状態確認

アルミの部分に若干のサビや汚れが見受けられましたが、通販で買ったマイティプロで簡単に落ちました。
それ以外は大きなキズや汚れもなく、34年経過していることを考えれば、
非常に良好なコンディションと言って差し支えないと思います。

仮に全く動作せずに完全ジャンクだったとしても、置物として使いたいという気持ちがありますので、
大きなキズや汚れがないというこが大きなポイントになって来ます。


カバーを開けてみる


カウンターは巻き取り側のリールからのゴムベルト駆動になっています。



トランスにもMADE IN JAPANの表記があります。


動作確認

値札には「電源入りました。その他未チェック」と書かれていました。
電源が入ることを確認したにもかかわらず、その他未チェックということは、
使い方が分からないためにチェックを終了したとか、
とりあえずPLAYボタンを押してみたけれど反応がないのでチェックを中断したとか、
だいたいそんな感じではないかと想像されますが、恐らく後者の可能性が強いでしょう。

早速チェックの結果、下記のような状態であることが分かりました。

(1)PLAYボタンを押してもキャプスタンは回転するが、巻き取り側のリールが回転しない。

恐らくこの状態で再生するとテープがどんどん送られて行って、
巻き取られることなくハブ内に溜ってしまうでしょう。
この症状は時間の経過につれて解消されました。
稼動部分の固着などが原因だったのでしょう。

(2)巻き戻しができない。

正確に言えば巻き戻しボタンを押しても早送り動作になってしまいます。
機械的な不具合だと思いますが、とりあえずそのままにしてあります。


巻き戻しボタンを押しても巻き戻し側のリールに回転が伝わらずに、
巻き取り側(送り側)のリールに回転が伝わっているようです。


(3)録音ボタンが押せない。

誤消去防止ツメを折らない状態でも録音ボタンを押し込むことができません。
こちらも機械的な不具合でしょう。
こちらも徐々に改善してきましたが、どこかに引っ掛かりがあるようで、
ボタンを押せることもありますし、押せないこともあるといった状態です。


(4)左チャンネルの音が出ない。←これは致命的です。

2と3はまあいいとしても、この左チャンネルの音が出ないというのは致命的です。
レベルメーターも右側しか動作せず、
ヘッドフォン、LINE出力ともに右チャンネルからしか音が出ない状態です。
この状況が解消されれば、まあ良しとしたいと思います。


不具合箇所の特定

とは言ってもここ数年老眼と思われる症状が出てきて、近くのものや小さいものが良く見えません。
そこでルーペを使って丹念に見ていったところ、
ヘッドの後部から出ている4本のリード線うち、
左チャンネルのプラス側の赤いリード線の接続部分が外れていることが分かりました。

テープを再生している状態でそのリード線をピンセットで挟んで接触させてやると、
左側からも音が出るようになることが分かったので早速修復作業を実施、
無事左チャンネルからも音が出るようになりました。


中央右側に見えるヘッドの「503」という文字の右側にある薄い赤のリード線が取れていたので修復しました。


モーターはSONYのD-009Fという型番で、もちろんMADE IN JAPANでした。

2本のベルトは若干のたるみはあるもののまだ使えそうな状態でした。


動作再確認

無事両チャンネルから音が出るようになったので再度確認作業を行ないました。
回転ムラや速度の偏差も少なく、非常に安定した再生音だという印象を持ちました。

昔の製品は機種やメーカーによって速度の偏差が大きく、
聴感上でも明らかな違和感を感じるものもありましたが、
今回入手した製品は速度もかなり正確に近く感じられますし、
回転ムラも殆ど感じられず、良好な再生状態でした。

相変わらず巻き戻し動作はできませんが、早送り動作も俊敏で、
心配されたテープの巻き込みなども起こりませんでした。
34年前のガラクタといえばそれまでですが、
315円でこれだけ遊べたのですから、まあ良しとしなければいけないでしょうね。
(↑全然締めの言葉になっていませんが…)

余談ですが今回、新発田店から亀田店へ向かう際、
新新バイパス一日市インターで下りて、
本所地下道〜大江山連絡所〜亀田駅前のコースを走ってみました。
時間的には紫竹山インター〜鵜ノ子インター経由と同程度と思われますが、
走行距離は短いように感じられました。
ちなみに一日市インターから大江山経由で亀田店までは、
走行距離が約10.2km、所要時間は16分でした。

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2009年4月12日

安良町経由村上行き

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