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 安良町交通博物館
 2011/07/22
  新潟のテレビ史(昭和の終焉)

安良町交通博物館 管理人:安良町経由村上行き
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このテレビが映ることはもう二度と・・・ない。
RF出力の付いたレコーダーやチューナーを付ければ使えるじゃん、という突っ込みはご遠慮ください。

室内アンテナとUHFコンバーターを使用した、UHF放送開始時の標準的なスタイルです。このテレビは2004年に整備済みのものを購入したものですが、数年間使っていませんので、怖くて電源を入れる勇気がありません。

真の意味での昭和の終焉

 昭和から平成になったときも、20世紀から21世紀になったときも、身の回りを見渡しても別に変わったことはありませんでした。レコードがCDになり、様々なデジタルメディアが登場しても、アナログレコードが消えることはありませんでした。

 しかし2011年7月24日、1953年以来58年間続いてきたテレビのアナログ放送が終ろうとしています。2011年、この年は真の意味での昭和の終わりと言っても良いのではないでしょうか。平成になってからもずっと「今年は昭和で言えば○○年」という表現が多用されてきました。しかし2011年を境に、こういう表現は改めなくてはいけないのかも知れません。

三菱電機製 16T-240型テレビジョン受像機

 三菱電機のホームページによれば1964年(昭和39年)の製品のようです。1964年といえば新潟地震の年でもあり、東京オリンピックの年でもありますが、BEATLESがアメリカで大旋風を巻き起こした年でもあることから、いかに大昔の製品であることが分かります。

ナショナル製UHFコンバーター

 テレビ放送は当初VHFのみで始まりましたが、1968年(昭和43年)にはUHF放送が始まることにまりました。そこで登場したのがこのようなUHFコンバーターです。テレビ本体のチャンネルを1チャンネル、または2チャンネルのうち、その地区で使われていないチャンネルに合わせておいて、このコンバーターでUHFのチャンネルに同調を取っていました。東京のように1チャンネルと3チャンネルが使われている地区では2チャンネルが使われていましたし、新潟のように1チャンネルも2チャンネルもどちらも使われていない地域でも、2チャンネルに合わせて同調を取るのが一般的でした。

ダイヤルを回すという表現、もう死語になっているんでしょうかね。

この製品は比較的後期の製品ですので、1チャンネルから12チャンネルまで装備していますが、初期の製品は6チャンネルまでしかなかったそうです。

イヤホン端子やスピーカーは当たり前のように前面に装備されています。

 使い勝手を考えれば当たり前とも思えるのですが、最近の製品はイヤホン端子が横に付いていたり、スピーカーが下向きに付いていたり、基本的なことを忘れている製品が多くて使いづらいですね。画面が上下に動いて止まらなくなったとき、この垂直同期ツマミで調整したものです。

筐体の横には水平同期のツマミが付いています。

 こちらは画面が横(斜め)方向にブレたときに使用するツマミですが、垂直同期も水平同期も日常的に調整をしながら使っていたものです。

最後に電源を入れてから何年も経っていますが、高圧回路が多いので取扱には細心の注意が必要です。

 ステレオ放送や二ヶ国語放送なんて、まだ存在しない時代ですが、スピーカーは両サイドに2個付けられています。

2004年に整備した旨の表示がありました。

 本当はこの筐体の下に四本足というか、置き台があったものと思われます。足そのものは入手できたのですが、強度面からして、直接取り付けるのには無理がありそうです。

オークションで入手した「足」です。

このようなものを入手してはみたものの、強度の面から取り付けるには至りませんでした。

ブラウン管にはシャープの表記がありました。

おそらく整備の際に交換されているものと思われます。

受像機という表現も時代を感じさせますね。

50〜60ヘルツではなく、サイクル表示ですから、いかに古いかが分かりますね。

 このテレビ、正直言ってジャマです。でもこの時代の製品でこれだけの状態で残っているものも少ないと思いますし、これを手放したら、同じ製品は二度と手に入らないかも知れません。そう思うと、当分の間は手元に置いておこうと思っています。 こうしているうちにアナログテレビ放送は終焉の時を迎えようとしています。これだけ大規模な事業でアナログ放送を終えるのですから、ぜひ空き電波を有効に活用していただきたいものだと思います。

 これからの世代、「砂嵐って何?」っていう人が増えて行くんでしょうね。もっとも最近のテレビはアナログの映らないチャンネルはブルーバックになる機種も多いので、もうとっくに死語になっているのかも知れませんが・・・。

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