ハードオフお買物日記(2010年5月30日)2010年12月15日掲載
マランツ プリメインアンプ PM-74D編
marantz プリメインアンプ PM-74D (1986年発売 定価79,800円)
2010年5月30日ハードオフ村上店で購入。ジャンク品(片ch音出ません。CD/PHONOダイレクトでは両ch共に音出ます)525円
幅462mm X 高さ164mm X 奥行376mm 重量14.3kg 定格出力100W+100W 8Ω
(特記以外の画像はクリックで拡大表示されます)
「片ch音出ません、CD/PHONOダイレクトでは両ch共に音出ます」
この症状からして以前所有していたDENONのPMA-1000Gと同様に、
バランスボリウムあたりの不具合ではなかろうかと想像できたのですが、
店頭で見つけた時に今ひとつ購入欲が沸いてきませんでした。
というのもセレクタの表示に「TV/AUX 1、VIDEO/AUX 2」と書いてあるように、
最近の安いAVアンプのような印象があったことや、
正面パネルのmarantzのエンブレムが欠落していたことなどの理由によるものです。
外観のコンディションはかなり良好でした。
しかしいったん帰宅して調べてみたところ、SONYのTA-F333ESXなどと同様に、
1980年代半ばに発売されたいわゆる798アンプであることが判明、
なおかつ最大出力の1/4まではA級、それ以上はAB級で動作させるという、
クォーターAと呼ばれる回路を搭載した機種であることが分かったため、
とりあえず確保しておいた方が良さそうだと思って再度店を訪れました。
天板に貼られていた発熱に対する注意を促すシールは既に剥がされていました。
marantzのエンブレムが欠落していましたが、ちょうど良くヤフオクで15円での出品があったため、
無事に移植することができました。
幸いにもまだ誰にも買われることなく残っていたために確保、
小脇に抱えて店を出たのですが、TA-F333ESXに比べてかなり軽い印象がありました。
ところが駐車場の車のドアを開けるためにいったん地面に置こうとしたところ、
本体が地面に直接当たってるような感触があって違和感が感じられます。
いったん車に積んでから裏返してみたところ何と、インシュレーターがないではありませんか。(悲)
エンブレムはないわ、インシュレーターはないわ、他にも不具合がありそうな予感、
失敗だったかなと後悔の気持ちが頭をよぎります。
でもまあ525円だし、まあいいかと思って自分自身を慰めます。
動作確認
内部には目立った汚れや目視で分かるような部品の不具合も見られませんでした。
早速CDプレイヤーとヘッドフォンを接続してスイッチオン。左側の音が出てきません。
なるほどと思いながら「CD/PHONO DIRECT」ボタンをONにしてみましたが、
やはり左側の音が出てきません。スピーカーも同様です。
話が違うじゃないかと思いつつ色々試してみることにしました。
カバーを開けてみる
内部はとてもきれいな状態でした。
症状の切り分け
スピーカーのA系統とB系統、そしてヘッドフォンも全く同じ症状であることや、
リレーを揺さぶってみても音が出そうな気配がないために多分リレーはシロだろうと判断しました。
また全ての入力で同じ症状が出ていることから、セレクタの接触不良でもなさそうです。
「CD/PHONO DIRECT」ボタンをOFFにして「MONO」ボタンをONにすると、
左右ミックスされた音が右側だけから出てきます。
今度はプリ段からパワー段につながるケーブルを左右入替えてみることにしました。
しかし相変わらず、左側からは全く音が出てきません。
これらのことから考えてプリ段ではなくパワー段の不具合の可能性が高そうです。
半田面を軽くトントンしてみたり、部品を軽くユサユサしてみても音が出てくる気配がありません。
何箇所か半田補正をしてみても症状に変化は見られませんでした。
通電状態でヒートシンクに顔を近づけてみると、左側の温度が低いように感じられます。
ドライバトランジスタを取り付けてある小さなヒートシンクを指で触れてみても、
右側は熱く感じられるのですが左側は冷たいままのようです。
そこで左側のファイナルトランジスタやドライバトランジスタ等の足を浮かせた状態で
導通チェックをしてみたのですがどうやら異常はない模様、
その手前の2SA970や2SC2240も問題なさそうです。
ということはその前段部分の異常ということでしょうか。
ダメモトでハイブリッドICを交換(拡大画像はありません)
とりあえず入手可能な部品を交換してみようと思って検索すると、
STK3102(3)というハイブリッドICが入手可能であることが分かりました。
価格は税込で2940円、これを交換してダメなら諦めようかとも思いました。
数日後、STK3102(3)が届いたので交換を行ないました。
そしたら何事もなかったかのように左右両側から音が出てきました。
恐らくこのハイブリッドICの故障だったのでしょう。
TONEボタンなどにガリはありますが、通常使用には問題がないためにそのままにしてあります。
いずれ時間を見て清掃を行なおうと思います。
買った時にはmarantzのエンブレムが欠落して穴だけの状態になっていました。
そこへちょうどよくPM-54Dのフロントパネルが出品されたので落札、エンブレムを移植しました。
(拡大画像はありません)
サイドウッドもきれいな状態です。
多少のスリキズや汚れはありますが、光沢も残されており良好な状態です。
欠落していたインシュレーターは手持ちの品物を流用することにしました。
オリジナルより一回り大きいようですが黙っていれば分からないでしょうね。
まとめ
今回は運よく部品1個の交換で不具合が解消されたり、
欠落していたエンブレムがちょうど良くオークションに出品されたりラッキーなことが重なりました。
音質も素晴らしく、特にアナログで聞く女性ボーカルは非常に生々しく感じられます。
ただし通常使用でA級動作になるためか発熱が非常に大きいのが難点です。
冬場はエアコンと石油ファンヒーターを併用しているのですが、
ファンヒーターは使わなくて済むような状態です…、と言ったららウソになりますが、
若干設定温度を低くしてもその分をアンプでカバーしてくれているような気がします。
とは言ってもまだ本格的な寒さが来ていないので分かりませんけどね(笑)
今後加筆訂正あるかもしれませんが、
ひとまずこれにて終了致します。
全然関係ないですが「光」にしたらアップロードが早く終るので便利ですね。
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2010年12月15日 安良町交通博物館
(2010年5月30日作成開始)