ハードオフお買物日記(2008年3月28日)2008年4月6日掲載
DENON プリメインアンプ PMA-1000G編(2008年6月22日追記)
DENON プリメインアンプ PMA-1000G (1993年発売 89,800円)
2008年3月28日(金)ハードオフ村上店で購入 2,100円(ジャンク品)
状態表示:左側音小さい(殆ど出ません) 画像クリックで拡大されます。
DENON Museumによれば1993年6月に89,800円(税別)で発売されたこの機種ですが、
評価に関する情報はネット上でもあまり得られませんでした。
スペック等はオーディオの足跡さんのホームページをご参照ください。
ゴールドのパネルにサイドウッド付き、これで2100円は安い?
スピーカーセレクター周辺です。
スピーカーセレクターは、OFF、A、B、A+Bの4ポジション。
セレクターの回転は左端及び右端で止まることなく、例えばOFFの状態から左に回すとA+Bのポジションにります。
一見便利に思えるこの機能ですが、寝ながら手探りで操作するような場合には要注意です。
こちらはインプットセレクタ及びボリウム周辺です。
SOURCE DIRECT ボタンを押すとトーンコントロールやバランスなどのトーン回路がジャンプされ、
ボリウムのみ機能する状態となりますが、これは余計な回路を通さないほうが音質が向上するといった考えに基づいた設計です。
背面パネルはごく一般的な構成。
動作確認
値札の「左側音小さい(殆ど出ません)」という表記の通り、左側の音が殆ど出ない状況です。
それもスピーカーのみならずヘッドフォンからも左側の音が聞えてきません。
ということはスピーカーリレーの不良ではなさそうな気がします。もしかして重症でしょうか。
ところがなんとSOURCE DIRECT ボタンを押してトーン回路をジャンプさせてやると、
左右共にちゃんと音が出ることが分かりました。
私はあまりトーンコントロールを使用しない方なのでこのままでも差し支えないのですが、
せっかくですから分解してみることにしました。
天板を開けてみる。
丸い巨大な電源トランスと、大容量の電解コンデンサが目に付きます。画像クリックで拡大されます。
中央の4本の電解コンデンサにはELNAのオーディオグレードが使われています。
手前側に見える2本は FOR AUDIO (BLACK-NEG) の63V 6800μF
こちらは反対側からの撮影です。
反対側の2本は FOR AUDIO の63V 4700μF
巨大な電源トランスは四隅をネジ止めしてあるだけで意外と簡単な作りでした。
底板を外してみる。
トランジスタは2SA1490と2SC3854が左右2個ずつ使われいます。画像クリックで拡大されます。
左上に独立して設置されている基板はフォノイコライザ回路と思われます。
半田面には電解コンデンサとスチロールコンデンサが後付されています。
電解コンデンサはELNAのSILMICα 100V 10μFが使われています。
スチロールコンデンサには125WV 10000Kの表記がありました。
入力回路にはTAKAMISAWAのリレーがずらっと並んでいます。
SOURCE DIRECTボタンを押すと写真左側の独立配置されている水色のリレーの動作音がするので、
他の箇所のリレーと入れ替えてみたのですが左側の音が出ないという症状の改善は見られませんでした。
リレーはRY12W-K という型番のものが使われていました。
他メーカー品で置き換えるならばオムロンのG5V-2(12V)あたりでしょうか。
ボリウムはALPS社製品が使われています。
電解コンデンサにはELNAのSILMICが多用されています。
オペアンプにはJRCの2082DDと三菱の5218Aが使われています。
念のためにこのオペアンプも交換してみましたが左側の音が出ないという症状は改善されませんでした。
ただこのオペアンプを他の型番に交換すると微妙に音質が変わるので、
気分によって交換できるよう、ソケット付きにしておきました。
こちらは出力部分です。
スピーカーリレーにはOMRONのG5R-2232Pが2個使われていますが、
接点の劣化が始まっているのか、揺さぶると音切れが発生します。
接点が金メッキされた高級品のG2R-2-AUL(1個800円)への交換を検討中です。
ただし左側の音が出ない症状とは関係なさそうです。
バランスコントロール用の可変抵抗器です。
100KΩのMNタイプが使われていましたが、試しに手前側の2つの端子を短絡してやったところ、
左側からも音が出るようになりました。トーンコントロールも問題なく作動しますが、バランスコントロールに不具合が残りました。
具体的には音を右側に寄せることができない、つまり左側の調整ができないといった症状です。
応急処置で短絡させた部分です。
果たして可変抵抗器の不良なのか、その周辺の部品の不良なのか、まだ特定は出来ていません。
トーン回路の故障であることは間違いなさそうなのですが、
この部分を取り出そうとすると本格的なバラし作業になってしまうので今回はこれで終了することにしました。
不具合が残りましたから故障品であることには間違いありませんが、
このクラスの製品が2100円で手に入ったのは結構良かったかなと思います。
上級品にはかなわないでしょうが厚みもあってなかなかいい音がします。
しばらくはこの機種を使い続けようと思います。
(2008年6月22日追記)
その後、この記事をご覧頂いた方から、恐らくバランスコントロールの接点不良ではないかというご連絡を頂きました。
そこでバランス用の可変抵抗器の隙間からごく少量の防錆・潤滑剤を注入、
何度か左右に回転させたところ無事左チャンネルからも音が出るようになりました。
当初、左チャンネルからの音が殆ど出ず、ガリも出ない状態だったため、
接点不良というよりも断線などの機械的不良の方に目が行ってしまっていたのが敗因でした。
ご連絡頂きました方には、この場をお借りしまして御礼申し上げます。
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2008年4月6日(2008年6月22日追記)
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