ハードオフお買物日記(2006年10月31日)
SONY CDプレイヤー CDP-770編
SONY COMPACT DISC PLAYER CDP-770(1988年発売 定価39,800円)
2006年10月31日ハードオフ村上店で購入。ジャンク品 1,050円(再生しました)
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主な仕様 ●フィルター:8fs18ビット・デジタルフィルター ●D/Aコンバーター:18ビットD/Aコンバージョン・システム●周波数特性:2Hz〜20kHz±0.3dB ●SN比:102dB以上(EIAJ) ●全高調波ひずみ率:0.003%以下(EIAJ) ●ダイナミックレンジ:95dB以上(EIAJ) ●大きさ:430(幅)X100(高さ)X275(奥行)mm ●重さ:3.6kg ●消費電力:9W ●ワイヤレスリモコン:RM-D470付属 |
正面パネルは同社のESシリーズに良く似たデザイン。1988年発売のCDP-228ESDなどと共通するデザインで高級感にあふれている。店頭に陳列されている時点では正面パネルに汚れが目立ったほか、ディスプレイ部分にキズも見受けられた。天板には時代なりのスリキズのほか、一部塗装の剥れと凹みが見受けられた。塗装の剥がれと凹みはどうにもならないが、汚れとディスプレイのキズは消し去ることができた。リモコンは付属していなかったが、ちょうど手持ちのリモコンの中に純正品のRM-D470があったので、それを使うことにした。 |
動作確認
CDの読み込みも素早く再生状態も良好、コレクターズもののCD-Rも再生できたのでピックアップはまだ大丈夫そうだ。ただし振動に弱く、床に置いた状態で近くにある椅子を引きずっただけで音とびが発生する状況だった。またトレイの開閉を繰り返しているうちにトレイが出てこなくなってしまい、急きょ分解作業を行なうことになった。底板を外してみたらトレイ開閉のためのゴムベルトが見えてきたが、若干たるんでいるような気もするがそれが原因ではなさそうだ。 トレイ開閉用の巨大なプーリーをいったん取り外してチェックののちに再組み立てを行なうことにしたのだが、プーリーを固定するためのネジを強く締めるとどこかに干渉するらしくトレイが途中までしか開かず、ネジを少し緩めた状態にすると開閉を繰り返しているうちにギヤの噛み合わせが悪くなって開閉不能に陥る状況であった。仕方なく妥協点を見つけて再組み立てを行なった。 しかしネジを完全に締め付けた状態でトレイが開閉できないというのはどうも腑に落ちない、いくらプラスチックを多用した製品といえどもそこまで精度が落ちていることも考えにくいし、多分別の原因があるに違いないと思いつつも、まあいいか、という安易な考えでいったん作業を終了した。ところが相変わらずトレイの開閉を10回程度繰り返すと異音を発生して開閉不能に陥る始末、さてどうしたものか…。 |
トレイの開閉とピックアップユニットの乗ったベースを上下に動かす役目を担う巨大なプーリー。
これはトレイを取り外した状態。プーリーの周囲に刻まれたギヤがトレイの内側のギヤと噛み合って
トレイを開閉させる仕組み。同時にピックアップユニットの乗ったベース部分を上下させる役目も持っているが、
プーリーの中央にあるネジを締め付けるとプーリーの回転が途中で止まってしまう状態だった。
仕方なくネジを少し緩めた状態にすると、最初は良いが徐々にネジが緩んできて開閉不能に陥ってしまう状態だった。
次に思いついたのはネジの緩み止め剤の使用である。自然とネジが緩んでくるのであれば緩み止め剤で半固定状態にしてやればよいのではないかという発想だ。しかしこれも無駄な抵抗であった。相変わらず不具合は繰り返されたのだった。ということは相当強い力が加わっているに違いないと思って、細部まで丹念に確認作業を行なった。グリスが硬くなっている箇所がないか、ギヤが欠けたり磨り減ったりしている箇所はないか等々…、しかし全く分からない。 だめだこりゃ!と思いつつもう一度本体内部に目をやってみると、今まで気付かなかったレバー状の部品が目に止まった。何の目的かは良く分からないがどうやらプーリーと連動して動く仕組みのようだ。そして更に良く見ると、そのレバーがプーリーと噛み合わずにフリーの状態になっていることが分かったのだ。早い話が、分解はしたけれど完全に元に戻さない状態で変だ変だと言っていたということである。原因が分かれば話は早い、そのレバーをピンセットで浮かしてやるとカチっという音を立ててプーリーと噛み合った。そしてネジを完全に締め付けて開閉操作を行なってみた。無事開閉OK!その後100回の開閉テストを行なったが不具合は発生しなかった。今まで悩んでいたのがまるでウソのようである。 |
盲点になっていたレバー状の部品の存在。
スプリングの付いているL字状の部品が盲点になっていたレバーである。
この写真の状態ではプーリーの円周部分にきちんと当たっているが、当初プーリーの下にもぐりこんでいる状態だった。
そのため固定ネジを締めれば締めるほどプーリーの水平が保たれなくなり回転に異常をきたすという状況で、
どこかに異常な力が加わってネジが緩んでくるというのが原因だったものと思われる。
今回の一件は、分解したのは良いものの再組み立てできなくなるという典型的な素人作業によるミスと言えるだろう。気付くのに1週間もかかってしまったのはお恥ずかしい限りである。なお振動に弱い点は半固定抵抗器を調整することでほぼ解消できた。 |
内部全景
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ネジ1本で留められた薄っぺらな天板をスライドさせて外すと内部が見えてきた。
側面や背面、底板などにプラスチックが多用され、見るからに安そうな感じ。やはりこれはESシリーズとは全くの別物。
基板の状態は良好だった。
電解コンデンサは高級グレード品は使われていないようだ。
4つ並んだ半固定抵抗器
音とびが起こったり振動に弱かったりする場合にはこれらを調整することによって直る(軽減される)ことがある。
ただしあくまで自己責任の世界、失敗して元に戻せなくなっても泣かないだけの度胸が必要だ。
ピックアップユニットはKSS-150Aという型番だった。
この型番のピックアップは様々なメーカーの製品に多用されているらしいので、
このピックアップだけでも保管しておく価値がありそうだ。
下の方に見えている黄色い半固定抵抗器はピックアップの光量を調節するためのもの。
まったくCDが読み込めないときにはこれを調整すると直ることがあるがそれは最終手段。
今回は購入した時点でCD-Rも再生できたのでピックアップの調整は行なわないことにした。
可変出力およびヘッドフォン出力はリモコン操作に対応している。
円筒形のものがボリウムをリモコン操作するためのモーターである。
背面の型番表示部分
ライン出力は可変出力のみであるにもかかわらず光出力端子も備わっている。
高級志向なのかお気軽志向なのかいまいち良く分からない。
正面パネル以外はいかにも安物といった感じの本機ですが、音質はどうしてどうして、なかなかのものです。安価なプレイヤーにありがちなスカスカした音質ではなくどっしりとした安定感のある音質です。また操作性の良さや動作の機敏さはさすがSONYと思わせる優秀さだと感じました。昔からSONYの製品は壊れやすいとか、最近では「ソニータイマー」なる言葉も聞かれるようですが、この時代の製品は意外としっかり造り込まれているという感想を持ちました。この時代は恐らくオーディオ製品としての技術は完全に確立された時代であって、マニアックな部分は別としても基本性能は非常にしっかりとした製品に仕上げられていたのではないでしょうか。(11月13日現在非常に良好な動作状態を保っています。当分このまま問題なく使えそうです) |
2006年11月3日
安良町交通博物館 管理人:安良町経由村上行き
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