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 安良町交通博物館
 2016/01/04
ハードオフだけとは限らないお買い物日記
ONKYO MDコンポ ニコイチ編(1)

安良町交通博物館 管理人:安良町経由村上行き
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左がドナーとなったONKYO FR-9GXDV、右がニコイチで新たな命を授かったONKYO FR-X7DVです。
デザインは非常に良く似ています。と言うより型番の表記以外の違いは見られませんでした。背面も全く同じです。強いて言うならば筐体のカバーの色合いが若干異なるくらいでしょうか。

FR-9GXDVは、CD…NG DVD…OK MD…OK ハードオフ新潟新通店 2160円 2015年12月19日
FR-X7DVは、CD…OK DVD…OK MD…NG ハードオフ村上店 3240円 2015年11月29日
この2機種のMDユニットを交換してFR-X7DVの延命措置を図ったものです。



 何で今さらミニコンポを買ったのかというと、寝るまでの間、気軽にFMをヘッドフォンで聴けるものはないだろうかと思ったからでした。もちろん普段使っている機器からヘッドフォンを引っ張って来て聴くこともできるのですが、もっと気軽に、枕元に置いて使えるものが欲しいと思ったのが発端です。

 メーカーやシリーズは不問、条件はただ一つ、CDやMDは使えなくも良いので、とりあえずはFMが受信できれば良い(ただしワイドFM必須)という条件です。しかしこのワイドFMが曲者で、90MHzより上の周波数に対応していても、アナログTVの1〜3chの音声しか受信できないものもあって、下調べには結構苦労しました。

 そんな中で白羽の矢が立ったのがONKYOのFR-X7DVという製品でした。これは2003年頃の製品で、同社のロングヒットシリーズとなっているFRシリーズの一角で、CD、MDのほかにDVDも使える製品です。ただしCDとDVDはOKですがMDはNGというものでした。外観は極上、リモコンなしの本体のみで3240円、ちょっと微妙な価格です。

何故ONKYO製品にしたの? デザインが気に入ったからです。

何故DVD付きの製品にしたの? それしかなかったからです。

 というか、PANASONICやVICTORの製品は山ほど置いてあったのですが、正面パネルがもろプラスチックという感じのものが殆どで、見た目が良くてある程度使えそうなものはこれしかなかったというのが正直なところです。

動作確認

 この製品はリモコンがないと選局ができません。正確に言うと本体のみでもFM放送はオートプリセットすることができるのですが、90MHzより上の周波数はオートプリセットの対象外ということです。またAM放送はリモコンなしでは選局もプリセットもなにもできません。

 FMに関しては県域放送3局とFM新津、FM新発田、それにFM長野がオートプリセットされました。他にも放送のない箇所も数か所引っかかってプリセットされましたが、それらは本体の操作だけで削除することが可能でした。AMに関しては522kHzの表示が出たままで、選局はできませんでした。

 FM放送の音質に関しては、電波状態の良い時であれば無音時のノイズも少なめでセパレーションも良好。単品チューナーに比べればちょっとベールがかかった感じというか、ちょっと眠い感じの音に聴こえましたが、あくまで単品と比べればの話であって、寝落ちに聴くには十分な音質です。

 CDに関しては、DVD共用のせいもあってか読み込みは正直言って遅いです。しかし再生は問題なくできるようで、何枚か再生してみても音飛び等が発生することはありませんでした。DVDは未接続なのでちゃんと画像が出るかどうかの確認はできませんでしたが、カウンターも進んでいるので恐らく大丈夫でしょう。

 MDは値札の表示通り再生できませんでした。DISKを入れると高速回転が始まるのですが、読み込むことなくただひたすら回り続けます。STOPもEJECTも効かず、DISKを取り出すにはいったん電源コードを抜き差ししてからEJECTボタンを押す必要があります。レンズクリーナーを使ってみたり、直接レンズを清掃してみたりしても改善しませんでした。

 でも当初の目的だったFM受信に関しては正常のようですし、ヘッドフォン出力も問題ない模様。あとはリモコンを調達してBSNのFM放送を受信できるようにすれば目的達成です。

ここまで3240円

リモコン購入

 ONKYOのこのシリーズのリモコンは使い回しがほぼ不可能と言っても過言でないほどで、発売時期によって使用できるリモコンが限られていて中古でも結構な値段がします。そこでチューナーの選局だけでも良いので代用可能なものはないかと思ってONKYOにメールで問い合わせてみたのですが「在庫ありません」の一言。こっちは別に在庫を問い合わせた訳ではなくて、過去製品も含めて代用可能なものがないかどうかを問い合わせたつもりだったのですが、どうやらこちらの言葉足らずだったようです。

 ヤフオクを覗いてみても動作未確認のものが多かったのですが、ウオッチしていると実機で使っていたという人の品物が出てきました。しかもほぼ未使用に近い状態で即決価格が3000円(送料240円)というものです。早速即決価格で落札、届いた品物は新品に近い状態でした。これで92.7MHzのBSN-FMのプリセットも完了、当初の目的はひとまず達成した形です。

RC-541S


ここまで3240円 + 3000円
= 6240円 しかし・・・

スピーカーとの出会い

 最初はヘッドフォンが使えれば良いのでスピーカーは買うつもりはありませんでした。しかし出るときには出るもので、村上のハードオフにD-052TXというスピーカーが出てきたのです。このスピーカーはFR-X7DV本体とセットで売られていたスピーカーよりも古い機種なのですが何故か評判の良い機種で、ちょっと試してみようかという気持ちになりました。

ただし…ウーファー音出ません。324円。

 ということでボイスコイルの断線が疑われたのですが、まあ勉強のために買ってみるかと…
結果、2本ともにウーファーの導通なし、直せる見込みなし。324円の損となりました。しかしツイーターから出てくる音は結構好みの音だったので、ヤフオクでドナーを探してみることにしました。

 ところがドナーになりそうな出品は一つもありません。というより本体自体がそう高いものでもなく、ヘタすりゃ送料の方が高く付きそうな感じです。そんな中で見つけたのが動作品で1880円という出品です。出品者は九州の方でしたが、契約運賃を適用してくれているようで、本来120サイズになるところを60サイズの運賃で送ってくれるという親切な方で、送料を入れても3000円以下、貯まっていたポイントを使ったので2000円ちょっとで入手することができました。状態は底板の一部に少しハガレがありましたが、それ以外は非常に良い状態でした。

ここまで3240円 + 3000円 + 324円 + 1880円 = 8444円

スピーカーの動作確認

 というわけで早速スピーカーを接続して動作確認を行いました。

ところが…

音出ねー

しかし…ボリウムをある程度上げてやると突然音が出て来たり、音が出ても左右のバランスが悪くなることがあります。

スピーカーリレーか…

音自体は評判通りに非常にきれいな音が出て来ます。

 ネットで調べてみると結構この症状で困っている人が多いようです。本格修理にはリレーの交換が必要ですが、とりあえず接点を清掃してお茶を濁してみるか…それでも再発するようなら交換を考えれば良いし。

 スピーカーリレー自体は取り外しやすい場所にありました。そして接点を清掃して再び取り付けて電源オン。

ところが…音が出ねー!ヘッドフォンを抜き挿ししてもカチっという音もしません。やっちまった!!
しばし考え込みました。

 カチッと言わないということはリレーが動作していないということですが、単にコイルが断線しただけならば良いけれど、万一本体側を壊してしまっていたとしたら厄介です。恐る恐るリレーを取り外してコイル端子にテスターを当ててみると導通がありません。おそらくリレーのケースを開けるときにドライバーの先端でコイルを傷付けてしまったのでしょう。残念でもあり、本体側に異常がなくて嬉しくもあり、複雑な心境です。

リレー発注

 そこで早速リレーを発注することにしました。使われているリレーはF4AK012Tというものですが、PanasonicのALA2F12というリレーが使えるようです。見つけた範囲では取り扱いは3店ありましたが、勝負が早そうなヤフオクを利用することにしました。価格は2個で900円、送料180円の合計1080円で、2日で届きました。1個余りましたがまた壊すといけないので予備のために取っておくことにしたいと思います。

左が元々付いていたF4AK012T、右が今回購入したALA2F12です。


リレー交換

 筐体のカバーを開けると非常に目立ちやすい場所に黒いリレーが見えるのですが、これは目的のリレーではありません。一番上側の基板にコウモリのように逆さまにぶら下がっているのが目的のリレーです。取り外しは簡単で、半田を6か所取るだけで、バラす必要もネジを外す必要も全くありません。ただしすぐ近くにチップ部品があるので触らないように注意が必要です。また再び取り付ける際の作業性を考慮すると、横にあるチューナーユニットを取り外しておいた方が良いと思います。チューナーユニットを取り外すにはリアパネルのネジを2本外して、フラットケーブルを引き抜けばOKです。フラットケーブルはユニット側を外しても良いですが、本体側を外した方が作業性は向上すると思います。

丸印の6ケ所の半田を外せばリレーを取り外すことができますが、すぐ近くにチップ部品が何個かあるので要注意です。チューナーユニットの右側に見えているリレーは目的のリレーではありません。


チューナーユニットを取り外すと作業性が向上します。逆さまにぶら下がっているのが目的のリレーです。リレーの手前に縦型の抵抗が1本ありますが、邪魔になる場合は倒すか、いったん取り外すかすればなお作業性は上がると思います。


 リレー交換を終えて、念のためにヘッドフォンを抜き挿ししてみるとカチッという音がしました。どうやら今度は大丈夫のようです。そしてスピーカーを接続してボリウムを上げて行くと…

ちゃんと音が出るようになりました。左右のバランスの崩れもありません。

これで一安心です。

ここまで3240円 + 3000円 + 324円 + 1880円 + 450円(リレー1個あたり) = 8894円

これで終了? しかし欲望には勝てず。

MDのドナー探し

 リモコンも手に入れて、予定外だったスピーカーも購入、想定外だったリレーの交換も無事に完了し、これで終わりにしようと思ったのですが、残るMDの不具合が気になってなりません。簡単なのは同じMDユニットを使っている機種を買ってニコイチすることなのですが、どうやら機種によってMDユニットの型番が違う模様です。そこでネットの情報をもとに同じユニットを使っている(と思われる)機種をリストアップ、ヤフオクで探すことにしました。しかしなかなか安いものが出てきません。出てきても発送地が九州とかで送料の方が高く付きそうなものばかりです。

頼みの綱はやはりハードオフでした

 村上店にはONKYOの製品はこれしかなかったので、久しぶりに新潟新通店へ行ってみることにしました。そしたらドナーになりそうなものが3機種売られていました。いずれもCDはNGで、MDはOKという品物です。しかしそのうちの2機種は2700円とバカ高い値段です。もう1機種は今回買ったFR-9GXDVという機種で、値段は2160円でした。この機種はリストアップ外の機種でしたが、同じユニットが使われているものと思われたので購入することにしました。しかし値札にはリモコン付きと書かれているものの、どこにも見当たりませんし、グルグル巻きのラッピングも緩んでいないので落っこちた感じでもありません。そこでレジで聞いてみることにしました。

安良町「値札にはリモコン付きと書いてありますが付いていませんが」

店員「そうですね…間違いですね」

安良町「その分、値引きとかできませんか?」

店員「ムリですね」

 そっけない返事…、値札と違うんだからせめて300円位引いてくれてもバチは当たらんと思うが…
でもこんなことで揉めても仕方ないのでその値段で買うことにしました。店員ははがした値札の「リモコン付き」という文字を線で消していました。

 帰宅してチェックしてみると予想通り同じMDユニットが使われていて、動作も問題ありませんでした。

ここまで3240円 + 3000円 + 324円 + 1880円 + 450円 + 2160円 = 11054円

MDユニットの移植

 最初に買ったFR-X7DVは2003年の製造ですが、今回買ったFR-9GXDVは2005年の製造で「9」なので一応は上位機種に該当します。まあこのシリーズの場合はスピーカーのグレードで「7」と「9」を使い分けている感じがするのでアンプ自体には大きな違いはないとは思うのですが、でもやはり「7」と「9」があれば「9」の方を生かしたいと思うのが悲しい性(さが)というものです。しかしCD/DVDのユニットをとっかえっこしようとするとかなり深くまでバラす必要がありそうなので、いとも簡単に断念、当初の計画通りMDユニットを交換することにしました。

左がFR-X7DVに付いていたもの(不良品)、右がFR-9GXDVに付いていたもの(良品)です。型番はいずれもKMK-260EE0ですが、捺印の書体やネジの色、フラットケーブルを差し込むコネクターの色などに相違が見られました。


 MDユニットの取り外しは極めて簡単で、黒いプラスチックの土台部分のネジを4本外してフラットケーブルを引き抜けばOK、取り付ける時は周囲が狭いのでフラットケーブルの差し込みに苦労する程度で、特に難しいことは何もありませんでした。

矢印の黒い土台部分のネジを4本外してフラットケーブルを引き抜くだけで取り外しが可能です。




そして別のユニットを取り付ければ完成です。

 交換する際にフラットケーブルを固定しているテープをはがしてしまったのでビニールテープで固定したのですが、何かみっともないというか、いかにも素人がいじったという感じになってしまったので、コメリでアセテートテープを買ってきて固定しました。元々使われていたテープよりも3mmほど幅が広いようですが、材質は良く似ているのでパッと見には区別が付きません。

ニトムズのアセテート布粘着テープです。約19mm x 約20m、コメリで898円でした。アマゾンなら500円台で買えるようですが、店頭に置いてあったので少し高いですが試しに買ってきました。使い勝手は良好で、その後SONYのスカイセンサー5500のスピーカー固定にも使いました。


 今回MDの動作確認に使ったディスクですが、何が入っているのか分からなかったのですが、MDユニットを交換して再生してみたら広末涼子のデビュー曲の"MajiでKoiする5秒前"が出てきました。しかも1997年4月15日に発売された後、6月25日にセカンドシングルの"大スキ!"が発売される直前にFMから録音したものです。その他には岡本真夜やPUFFY等々、懐かしい曲のオンパレードでした。この時期はモーニング娘。が結成される直前の時期で、グループアイドル時代の到来前夜とも言える時代でした。

結局…

 最初はFMをヘッドフォンで聴ければいいやと思ったものの、やはりスピーカーも欲しいと思うようになり、スピーカーを手に入れたらリレーの不具合が発覚。直そうとしたら逆にダメにしてしまって結局リレーを交換するハメに。さらに欲が出てきて結局はMDユニットまで交換することになってしまいました。

 それなら最初からセットになったものを買った方が安く付いたんじゃないの?

と思わないこともありませんが、まあそれはそれで成り行きというもので、仕方ないでしょうね。

 ここまで掛かった費用は11054円ですが、送料やアセテートテープの値段も合わせると14000円近くになっててしまいます。ならばなおさら本当に最初からセットになったもので状態の良いものを買った方が良かったような気もしますが、まあ…微妙なところですかね。

実際に使ってみて

 最初は寝る前にちょっと聴く程度の使い方を想定していたのですが、意外にも良い音がするので普段使いにも十分なんじゃないかと思うようになりました。もちろん単品コンポや大きなスピーカーに比べればスケール感や迫力といった点では及びませんが、普段ごく普通の音量で聴くにはこっちの方が音の明瞭度が高いというか、心地よく聴こえることもあります。それでいて低音もそこそこ出るので薄っぺらな音という印象はありませんでした。

 全体的にはキラキラしたサウンドに感じられました。超高域まで出ている感じではありませんが、こもった感じはしませんでした。特に女性ボーカルをはじめとした人の声が結構リアルで、スッと出てくるような感じがします。半面、女性歌手の高い声などは音量を上げ過ぎるとキャンキャンした感じになってうるさく感じられることもありました。弦楽器も得意のようで、BEATLESの"YESTERDAY"のストリングスも生々しく感じられました。"COME TOGETHER"のギターの低音ギンギンの部分の迫力も十分で、本当に普通に聴く分には大きなコンポは要らないんじゃないかと思うことすらあります。

 この製品にはトーンコントロールが付いておらず、Super BASSもリモコンでしか操作できないので注意が必要です。ただ普段からトーンコントロールを使わない人にとっては、セッティングでカバーできる範囲と言えるかも知れません。私の場合はSuper BASSが2段階あるうちの"1"でちょうど良く感じられましたが、バスドラの音などがやや不自然に強調されるような印象を持ちました。

 操作性に関してはCDやMDの読み込みが遅いといった不満はあるものの、リモコンひとつで全ての操作が完結してしまうので非常に使い勝手が良く、小型スピーカー故にセッティングの自由度も高く、買って良かったなと思います。今後はもちろんこのシリーズの最新版を…と思うこともありますが、残念なことに最近の製品からはMDが除外されてしまいました。そこでもし今回購入したものが壊れたら、MDが付いていて、ワイドFMに対応している製品の中から状態の良さそうなものを選んで機器更新して行ければと思います。スピーカーに関しては、このサイズのものでもし安いものが出ていたら試してみても良いですが、とりあえずは現状のままで良いと思います。

あとがき

 今回ミニコンポを購入するにあたって、夜、寝るまでの間に気軽にFMを…と書きましたが、実はもう一つ大きな理由があります。それはちょうど1年前に背骨を傷めてしまったために、重量物の移動などに支障をきたしつつあるということです。ならば今のうちに重い製品は少しずつ処分してミニコンポに移行しようかと考えたのが発端のひとつです。

 しかしアナログレコードの存在を考えるとミニコンポに完全移行する訳にも行きません。もちろんPHONO入力の付いたミニコンポもありますが、アナログレコードを聴くためにはそれなりの機器がないと格好がつかない気がして、最近購入したDS-251MKIIなども手放すことができないのが現状です。従来から使っているのを"メインシステム"、今回購入したミニコンポを"サブシステム"とするならば、サブシステムの方が明らかに使用頻度が高い訳ですから、"メインとして使っているサブシステム"という変な表現になってしまいますね。

しかし…上位機種であり製造も新しいFR-9GXDVをドナーにして、古い方のFR-X7DVを生かしてしまったことに対する後悔の念は消えることはなく、再バラシを行うことになるのは火を見るよりも明らかなことでした。

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