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 安良町交通博物館
 2015/02/04
ハードオフお買い物日記
KENWOOD カセットデッキ KX-7050編

安良町交通博物館 管理人:安良町経由村上行き
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全ての写真は画像クリックで1920x1280サイズに拡大されます。

KENWOOD STEREO CASSETTE DECK KX-7050
2015年2月4日(水)ハードオフ村上店で購入
電源入りました。その他未チェック リモコン欠 540円


 このデッキ、半年くらい前にもここで見てますし、今回貼られていた値札とは違う位置に値札を剥がしたようなテープの跡が残っていたりするので、たぶん出戻り商品だと思います。

 その時はもっと高かったように記憶していますし、元々こういう曲線を多用したデザインが好きではないのと、正面パネルに擦り傷や当たり傷がたくさんあることもあって買う気が起きなかったのですが、今回は540円と安かったので確保した次第です。

 この日はこれとは別にPanasonicのRS-TR515(リモコン付きで540円)、TechnicsのRS-M222(324円)もあったのですが、前者はTechnicsブランドじゃないのでいまいち面白くなく、後者は所々文字が消えている部分があったのでパスしました。(2/7に行ってみたら2台ともなくなっていました)

動作確認

 パネルの清掃は後回しにしてとりあえず電源オン、OPEN/CLOSEボタンを押してみました。しかしウィーーンというモーター音がするだけで、カセットホルダーが開く気配がありません。ベルト切れか・・・、厄介なものを買っちまったな。そう思いながら何回か操作を繰り返していると、突然ウィーーン、ガガガ・・・と言ってホルダーが開き始めました。どうやらベルトは切れていない様子です。

 何度か繰り返しているうちに完全に開くようにはなったものの、閉じる動作が上手く行きません。カセットが入っていない状態だと何とか閉じるものの、カセットが入った状態だとその重さに耐え切れないのか、完全に閉じる前にウィウィ、ガガーといってまた開いてきたりします。

 そこで、手でアシストしてやってテープを入れて動作確認してみたところ、ちゃんと音が出て来ました。というよりも非常に良い音が出て来ました。それならばという思いで、ホルダー開閉の修理に取り掛かることにしました。



 上の写真の水色の矢印の箇所にあるベルトがカセットホルダーの開閉を司るベルトなのですが、特に緩んでいるようには見えませんでした。またその周辺のギヤ類も特に固着している様子も見られません。念のためにギヤ周辺に微量のグリスを塗布してみるものの効果はなく、それどころかベルトにも付着してしまったらしく、逆に動きが悪くなってしまいました。そしてベルトに付着したグリスを拭き取ろうと悪戦苦闘しているうちに、反対側のプーリーからベルトが外れてしまったらしく、全く開閉しなくなってしまいました。



 こうなればもう壊す覚悟で分解するしかありません。慎重に分解して行くと反対側のプーリーが見えてきました。やはりベルトはプーリーから外れた状態でした。ベルトを引っ張り出してみると、真円ではなくクセがついてしまっています。恐らく長い時間放置されていたのでしょう。

約1mm x 約40mmくらいの角ベルトです。硬くなってクセがついてしまっています。


 代替のベルトを探すと、大きさはほぼ同じで、太さが若干太いベルトが見つかったので装着してみました。そしたらちゃんと開閉するようになりました。めでたしめでたしと言いたいところなのですがもう一点不具合があって、ホルダーが完全に開いた状態でもモーターの回転音が止まりません。まさかこういう仕様ということはないと思いますが、少し気になるので今後の課題としたいと思います。

基板全景


電源周辺


ドルビー回路周辺


ヘッド周辺
軽く清掃した後の写真ですが、酷い汚れはありませんでした。


ディスプレイは「全点灯」「カウンタのみ点灯」「全消灯」の3種類から選ぶことができます。
カウンタ部分の数字が変なのはカメラのシャッター速度によるものです。


カウンタのみ点灯


全消灯


ディスプレイの左上隅と、カセットホルダの右上隅のキズが気になります。


その他、カセットホルダの上部にもキズが見られるほか、パネル上部(KENWOODのエンブレムの上の方)にもかなり目立つキズが見られます。POWERスイッチが陥没しているように見えますが、恐らくこういうデザインなのだろうと思います。


背面はシンプルで若干汚れが見られますが、気になる程ではありません。

もちろん"MADE IN JAPAN"です。

インプレッション

 一言でいうと非常に良い音質ですね。1987年に録音したハイポジション用のテープを再生してみたのですが、走行が安定してるためか高域が落ちることもなく、メリハリのある音がします。1970年代後半にエアチェックしたノーマルテープも非常に良い音で再生できましたが、流石に当時ドルビーBを使って録音したものは篭った感じになるので、ドルビーOFFで再生した方が良さそうです。また購入当初は若干スピードが遅く感じられましたが、数時間の使用で解消したようです。

 録音に関してはATCSが搭載されており、簡単な操作で録音バイアスが適正値にセットされるため、録音レベルに気を使うだけで済むので非常に楽ですね。反面、バイアスの微調整など細かいセッティングを楽しむといったマニア的な使い方はできませんが、難しい儀式を省略できる点は何ものにも代え難く、音楽に集中できるという利点もありそうですね。

 録音テストはハイポジションテープを使用して行いました。SONYのCDP-555ESJの固定出力端子を使用して、BEATLESの"THE BEATLES 1"を録音してみたのですが、レベルメーターをピークで+7くらいまで振らせてやっても殆ど歪を生じることなく、非常に歯切れの良い再生音が得られました。録音時に比べて再生時には1〜2dB程度メーターの振れが低いですが、ドルビーを使用しても音の変化は殆どなく、特にドルビーCを使用したときにはテープヒスノイズは極めて小さく、殆ど無音と言っても差し支えない状況でした。

その他、感じたこと

 この手の品物を買ってきて、情報を得ようとネット検索をしてみると、往々にして海外のサイトにたどり着くことがあります。欧米のオーディオファンが四半世紀も前の"MADE IN JAPAN"の製品をメンテナンスして使っていたり、得意げに紹介しているページを見たりすると本当に嬉しく思いますね。古い製品に関してはどちらかというと海外のファンの方が大切に使ってくれているんじゃないだろうかと思うことさえあります。

 それと同時に少し前の製品であれば、全て国内メーカー、国内生産の製品でオーディオセット一式を揃えることができるのですから、日本の技術力は凄いものだなあと思いますね。

 それにしてもこのデッキ、外観はチョット悪くて買うのを躊躇するほどでしたが、買ってみたらその使い易さと音の良さに驚きました。改めてカセットテープの良さを再認識した形ですが、最近の若い人の中にはカセットテープのことを「面倒くさいけど格好いい」と感じる人が出てきているらしく、ひそかな人気になりつつあるそうです。レコードもそうですが、若い人にとっては、アナログ=上級品というイメージがあるのかも知れませんね。

 それにしても前ユーザーと前々ユーザーは何でこんな良い製品を手放したんでしょうね。おかげでカセットに目覚めてしまいましたよ(笑)。今回は良いものを入手できました。

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