ハードオフお買物日記(2013年6月8日)

LUXMAN FM-AM TUNER T-550編

LUXMAN FM-AM TUNER T-550
(1973発売 54,500円)

2013年6月8日(土)ハードオフ村上店で購入 5250円(ジャンク品) 状態表示:電源入りました。他未チェック。照明右半分点灯しません。
一部の画像を除いて拡大画像等あります。

このホームページでは初めて扱うラックス製品です。
少し前に入荷したものですが、背面が非常に汚かったことと、もう一つ別の理由により購入を見合わせていたものです。
もう一つの理由に関しては最後の方でお知らせしたいと思います。

「ラックストーン」という表現を良く耳にしますが、私は今までラックス製品を使ったことがなかったので、どういうサウンドなのか良く分かりませんでした。
イメージとしては、温かみがあって長時間聴いても疲れない優しい音、弦楽器やボーカルを生き生きと聴かせる音。
その反面、あまり解像度が高くなくて一枚ベールを被ったような音、というようなイメージがありました。
一言でいうならば「音を聴かせるのではなく、音楽を奏でる」ような感じなのかなと勝手に想像していました。

さらにこの製品が発売された1973年といえば、ちょうど私が中学生の頃で、
父親に買ってもらったコロムビアの4チャンネル式のセパレートステレオの甘〜い音が頭に残っていたので、
このチューナーもそんな感じなのかなと思う反面、当時の54500円というのはかなりの高額であり、
安いシステムステレオ(モジュラーステレオとも言いましたね)が買える金額でもあることから、
きっと良い音がするに違いないと思って購入に至った次第です。


電球の交換

値札には「照明右半分点灯しません」という表示がありました。
そして実際に電源を入れてみると4個ある電球のうちの3個が切れていることが分かりました。
使われているのはグイっと押してクイっと回してパッと引っ張るタイプの電球です。


ウッドケースの分離(電球交換後の様子です)



メンテナンスを行うにはケースと本体を分離する必要がありますが、
裏側のインシュレーターじゃない方の4本の止めネジを外して、本体を前方に引き出せば簡単に分離できます。



電球の購入

左側は元々付いていたスタンレーの12V3Wのもの、右側は新規購入した小糸製作所の12V4Wのものです。
小糸製作所、品番1283、口金はBA9s、ガラス球はT8.5サイズのもので、村上のムサシのカー用品コーナーにありました。
長さは少し長いですが取り付けスペースには十分余裕があるので問題ありません。
1個138円で、今回は4個すべて交換することにしたので結構な値段になりました。でも効果はバッチリでした。


ソケットを取り外して電球を交換、サイズもバッチリでした。



上部から撮影、非常にシンプルです。









小型のトランジスタは全てシルクハット型で、2SC372、2SC1000、2SC381、2SC735の4種類、他にμPC555Aも使われています。


ロータリースイッチの複雑なフォルムに照明が当たって何とも言えない雰囲気を作り出しています。



裏側も非常にシンプルですね。



半田は非常にキレイな状態です。

細かい半田クラック等は確認していませんが、一見して非常にキレイな状態でした。


ACコードはインレット式ですが、一般的な延長コードを使うことができます。

ただし最近の延長コードはジャック部分のモールドが大きめのものが多いので、削らないと入らない場合があります。
今回使用したコードは一昔前の製品で、モールドが比較的小さかったのでそのまま使えました。


一方背面はと言いますと・・・

これが購入をためらった理由のひとつ、非常に汚いです・


アップにするのは忍びないのですが・・・

塗り直せば字も消えちゃいますしね。



アンテナ端子はネジ式ですが、つまみが六角形になっているので使い難くはありません。



出力は固定と可変の2系統、レベルは左右同時に調整するタイプです。
マルチパス検出用端子も装備されています。


動作確認

電源投入直後はチューニングメーターがなかなかセンターに納まらず不安定な状態でした。
しかし時間の経過と共に安定して行き、数時間後には落ち着きました。
驚いたのはその音質で、弦楽器やボーカルが生々しく、かつ高音域も伸びており、当初の予想は完全に覆されました。

今までメインで使用してきたTRIOのKT-7300と切り替えながら比較してみましたが、
KT-7300の繊細さを残しつつ、さらにボーカルの生々しさを加えた感じとでも言いましょうか、
柔らかいという表現とは少し違いますが非常に深みのあるサウンドという印象を持ちました。

セパレーションも良好で、曲によってKT-7300の方が良かったりT-550の方が良かったりするもののその差は僅差でした。
感度はT-550の方が若干良いように感じられ、KT-7300ではステレオにならない超微弱な電波でもステレオになる局があったほか、
無音時のノイズも多くはなく、40年前の製品でありながら今でも十分に使えることが分かりました。
ただ音質の感想やKT-7300との比較に関しては、素人が適当にいじった個体同士での比較であり、
きちんと調整された個体ではまた違う結果が出ることも考えられますので、あくまで参考程度に留めていただければ幸いです。

非常に良好な状態である一方、難点もいくつか見受けられました。
古い製品にありがちな症状ですが、ダイヤルを回すのに連動してボソボソという音が出ること。
それと無音時にプツプツ、ポツポツという音が出ることがあるということです。
これらの症状も徐々に軽減しつつありますが、しばらくは常時電源投入状態で様子を見ようと思います。
ただしエアチェック時にはちょっと気になるかなという程度のもので、通常のリスニングには殆ど影響のないレベルです。



改めて正面から見て見ましょう。

AU-D607X DECADEとCDP-555ESJに囲まれてセンターに鎮座するT-550、パネルの質感などとても上品ですね。
やはりセンターは上品なのじゃなくっちゃね。





こうしてT-550は一夜にしてセンターポジションを確保しました。
この日は気象の関係で遠くの局がたくさん入っていたほか、高い方の周波数では中国語や韓国語も聴こえました。
82.7MHzのFM富山が入り始めたら82.3MHzのNHK新潟がじゅるじゅる言い始めたのはこのクラスではまあ止むを得ないのかも知れません。
見ているだけでもホッとするこのチューナー、お気に入りのチューナーになりそうです。

終わり



というか忘れていました、このチューナーを買うのを見合わせていた理由(その2)


今から2週間ほど前、突然3台のLUXMAN製品がジャンクコーナーに並びました。
プリメインアンプのL-504とL-309、そしてこのチューナーのT-550です。
上位機種のL-309はボリウムつまみに難ありということで、売値はL-504>L-309>T-550という順番でした。

アンプは正直SANSUIでおなかいっぱい状態なのですが、ラジオマニアとしてはT-550はぜひとも欲しい。
でもT-550だけ買ってしまうと、L-504とペアで買おうと狙っていた人を残念がらせる結果になるかも。

じゃあ自分でL-504とT-550をペアで買うか・・・、
でも上位機種でありながら売値の安いL-309を残すのは忍びない。

じゃあL-309とT-550をペアで買うか・・・、
でも横幅が違うので格好悪くなりそうだし。

いっそ3台とも買うか・・・
そんな金あるわけないし。

3台とも買えば4万円弱、人気度を考えれば決して高くはないのかも知れませんが今の私には出せませんでした。

そんなことを考えつつ、もしチューナーだけ売れずに残っていたら買うか・・・
そう思っていたところ最初の週末に上位機種のL-309だけが売れ、
次の週末にL-504だけが売れてT-550だけが見事に残りました。
そうしてT-550を無事入手することができ、センターポジションを確保したという次第です。

「ジャンクは見つけたときに買え」という鉄則から大きく外れた今回の行動ですが、
「ペアで買おうと狙っていた人を残念がらせる結果になるかも」という表現は若干大げさかも知れません。
所詮は動作未チェックのジャンクチューナーに5250円出す勇気がなかったというのが正直なところかも知れませんね。

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2013年6月8日(土)

安良町経由村上行き

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