ハードオフお買物日記(2011年11月5日)

パイオニア CDプレイヤー PD-7030LTD
PIONEER COMPACT DISC PLAYER PD-7030LTD(1986年発売 当時の定価69,800円)
2011年11月5日(土) ハードオフ村上店で購入
ジャンク品(トレイ開閉できません)315円



前日の夕方に訪れたときにはなかった品物ですので、恐らく買い取ったばかりの品物なのでしょう。

パイオニアのプレイヤーはあまり馴染みがないのですが、PD-7030を元にした限定バージョンのようです。
LTD(リミテッド)と付いている製品に、悪い製品があろうはずもないという、
全く根拠のない期待感から、見つけたその場で確保することにしました。



サイドウッドは付いていませんが、所期の製品らしく重厚なデザインです。



トレイ上部に張られている金色のシールや表示部分の劣化もなく、極めて良好なコンディションです。


背面はシンプルそのものです。

出力は1系統のみ、それも固定とも可変とも書かれていませんが固定出力で、
前面パネルのヘッドフォン用のボリウムとの連動はありません。


しかし裏返してみると銅メッキハニカムシャーシが採用されているのが分かります。

美しいの一言ですね。


動作確認

早速電源ONしてみたところ、値札の通りにトレイの開閉ができません。
内部でモーターが回っている音がするので、ベルトの緩みが原因でしょうか。


カバーを開けてみる

ホコリや汚れの殆どない、極めてきれいな状態です。
こんなに美しいジャンク品は久しぶりに見ました。
この状態でCDを入れてやると全く問題なく再生されることが分かりました。
しかしピックアップを移動させるためのゴムベルトが若干緩んでいるのが気になります。


DAC専用電源を追加し、4電源方式を採用しています。

4つ並んだコンデンサーはELNAのDUOREX、25V 2200μFです。



動作確認にはBEATLESの海外製のコレクターズCD(CD-R)を使用しました。



銅シャーシが非常に美しく、製造後25年という時の長さを全く感じさせません。



どの角度から撮っても非常に見栄えがするというか、美しさが際立った製品です。



デジタルフィルターにはSONYのCX23034が使われています。
背後には緑色のMUSEコンデンサも見られます。


DACでしょうか・・・、銅のシートが貼られているので型番を確認することができません。

恐らくSONYのCX20152でしょうか・・・?


トレイ用ベルトの交換

トレイ開閉用のベルトです。(ベルト交換後の写真です)

前面のパネルの上下6箇所のネジを取り外して、パネルを前面に引き出せばこの状態になるのですが、
パネルとトレイに引っ掛かり部分があるために、取り外し、組み立てともに若干のコツが必要です。

写真では代用品として輪ゴムを装着しています。
通常の家庭用の輪ゴムを使ったら時々滑って開閉不能になることがあったので、
一回り小さな輪ゴムを使いました。


ピックアップ用ベルトの交換

当初は問題なく再生できていましたが、外周部での音飛びや選曲に不具合が発生し、
徐々にその不具合が大きくなってきました。
ベルトもさらに緩んで来ていて、時々キュルキュル音を出すようになったので交換を行ないました。


ピックアップ移動用のゴムベルトです。(ベルト交換後の写真です)

パッと見は簡単にベルト交換できるように思えますが、
矢印部分で金属製のシャフトが、黒いプラスチック部品に突き当たっているため、なかなか上手く行きません。
でも黒い部品を右側に広げてやってスキマを作りながら交換すればOKです。
若干コツはいりますが、ドライバーか何かの先端で広げつつ、
ピンセットなどでベルトを引っぱり出してやればOKです。


新旧ベルトの比較です。(拡大画像はありません)

上段が交換前のベルトですが、しばらく使っていなかったらしく、くせが付いてしまっています。
大きい方が実測で約1.8mm(角) X 50mm(内径)程度、小さい方が1.5mm X 22mm程度でしょうか。
交換する場合はこれより一回り小さなものを選んだ方が良さそうです。

下段はとりあえず手持ちの品物を使った代用品です。
左側は家庭用の輪ゴムですが、一般的なものより一回り小さなものです。
右側は以前買っておいた1mm X 20mmのものです。

輪ゴムに関しては本当に代用品中の代用品ですので、
長く使うためには適切なサイズのゴムベルトに交換した方が良いでしょうね。


調整用の反固定抵抗器の位置関係です。

VR7の右下の位置に、それぞれの半固定抵抗器の用途が明記されています。
今回は幸いなことに、これらの箇所をいじる必要はありませんでした。


表示部分の拡大画像です。(拡大画像はありません)

ここから先は自己責任になりますが、音飛びが起こったり、
選曲が上手くできなかったりする場合は、いきなり半固定抵抗器をいじるのではなく、
前述のピックアップ移動用のゴムベルトに緩みがないかどうかを先に確認した方が良いでしょう。


クランプを取り外すにはネジ1箇所とストッパー1箇所を外す必要があります。

斜めの矢印部分のストッパーを手で外してやると、クランプを上まで跳ね上げることができます。


クランプを取り外した状態です。

レンズのクリーニングなどの作業の場合は、クランプを取り外さなくても、
跳ね上げるだけで対応可能です。


クランプを取り外した状態でトレイを出してやると・・・

矢印の部品が所定の位置に収まらなくなるので、トレイが閉まらなくなります。
これに気付かずに何でトレイが閉まらないんだろうとしばらく悩みました。
クランプを取り付けることによって、矢印の部品が所定の位置に収まるようになるので、
無事トレイが閉まるようになります。


天板には回路構成が書かれています。

重ねてしまえば見えなくなる部分なのですが、
販売店で展示する時に目立ちやすくする目的でしょうか。


トレイ上部のシールも新品当時のまま保たれています。

右下のLIMITED VERSIONの文字は印刷ではなく、貼り文字になっています。


選曲ボタンは1から0までですが、ダイレクト選曲はできません。

たとえば5曲目を選曲する場合には5のボタンをを押したあとにPLAYボタンを、
27曲目を選曲する場合には2+7+PLAYという順番にボタンを押す必要がありますが、
約3秒間何もしないでいると、押したボタンがキャンセルされてしまいます。

選曲にかかる時間ですが、動作確認に使用したCD-Rとは別の、
正規盤BEATLESの27曲入り、合計79分のCDを使った場合の測定結果です。
カッコ内の青色の数字はSONY CDP-555ESJの測定結果です。
停止→1曲目が約3秒(約3秒)、停止→27曲目が約6秒(約3秒)
1曲目→27曲目、27曲目→1曲目がいずれも約5秒(約1秒)
隣合ったトラックへの移動は約1秒(1秒弱)でした。
その時によって、これより若干長くかかる場合もありましたが、
まあまあ昔の製品にしてはスムースな方ではないでしょうか。


音質はいかにも初期の製品といった感じのストレートな音質で、
若干聴き疲れはするものの、味付けがされていない素直な音質という印象を持ちました。
操作性に若干の問題はありますが、現在でも十分に通用する製品だと思います。
ただしCDを入れた状態で電源をONにすると自動的に再生が始まる機能は、
ちょっと余計なお世話というか、ON,OFFを選べるようになっていれば良かったのにと思いました。

今回はベルトの交換だけでほぼ完全な状態にすることができました。
でも経年でベルトが劣化してトレイが開かなくなったというだけの理由で二束三文で買い取られて、
それが315円という安値で店頭に並ぶ、何か勿体ない気がしますね。
ただ確実に言えることは、捨てられるよりはマシということでしょうか。


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2011年11月6日 安良町交通博物館