ハードオフお買物日記(2010年10月4日)

ビクター ヘッドフォン STH-2編

VICTOR ヘッドフォン STH-2 (1968年頃〜1976年頃 定価3,500〜3,900円)
2010年10月4日ハードオフ村上店で購入。ジャンク品 315円
全ての写真は画像クリックで拡大画像をご覧頂けます。

何か随分昔の映画にでも出てきそうなデザインのヘッドフォンですが、
少し前から村上店の青いジャンク箱の中に包装もせずに無造作に入れられていました。
気になっていたことには間違いないのですが、どうもこの手のヘッドフォンの購入には二の足を踏んでしまいます。
というのも中高生の頃、500円とか1000円とかの無名メーカーのヘッドフォンを買って、
AMラジオのような音質にガッカリした経験が何度もあるからです。


ユニットにも汚れや凹みは全くなく、イヤーパッドも殆ど新品状態です。
イヤーパッドはビニール製でしょうか。

そのためすぐには購入せずに、帰宅後に調べてみることにしました。
そしたら1975年発売の"ヤング・オーディオ・ナウ'76"の巻末のカタログに掲載されており、
当時の定価が3,900円であることが分かりました。
当時3,900円ということはもちろん高級品ではありませんが、
少なくとも500円や1,000円の製品とは一線を画すに違いないと思って翌日購入するに至りました。


 主な定格(ヤング・オーディオ・ナウ'76より) 

型式:ムービングコイル型
使用ユニット:7cm
インピーダンス:8Ω
再生周波数帯域:20〜20,000Hz
許容入力:0.5W
重量:300g



ヘッドレストは合皮だと思いますが、縫い目もしっかりしていて、ほつれも全くありません。

ネットで調べてみると、どうも1968年から1976年にかけて売られていた製品のようです。
この個体の製造年は分かりませんが、少なくとも34年は経過していることになります。
その割には非常にコンディションが良く、型番の書かれたシールが変色している以外には、
金属部分のサビやイヤーパッドの劣化なども殆どなく、大切に使われていたことが想像されます。


質実剛健という言葉がまさにピッタリな作りです。

コードはストレートタイプで実測で約3mあります。
6.3mmのステレオ標準プラグは付け直してあるようにも見えますが、これがオリジナルのようです。
科学特捜隊の通信士や電電公社の交換手が使っていそうなイメージがあります。
私たちの年代では古いデザインということになりますが、
今の若い方たちにとってはカッコイイとかクールといった印象になるのかも知れませんね。


インプレッション

薄っぺらでヘナヘナな音がすると思いきや、意外にも芯のある音がします。
低音はかなり弱めですが、イヤーパッドの形状や耳への当たり具合による影響も多々あるようです。
基本的には中高音域の抜けが良い製品で、ボーカルも後ろに下がることなく明瞭に聴こえます。
高音域はさほど弱くありませんから、ラウドネスを使うよりも、
BASSのみをやや多めに上げてやることによってバランスの良い再生音が得られるようです。
全体的には硬めの音質で、やや聴き疲れがする印象がありますが、
1960年代にこれだけのクオリティの製品があったことには驚きました。
オーディオ製品の基礎はこの当時に既に確立されていたということを、
改めて認識させられる逸品でした。


HOME

2010年10月4日 安良町交通博物館