ハードオフお買物日記(2006年12月30日)
 
AIWA ステレオカセットデッキ AD-F40編


AIWA STEREO CASSETTE DECK AD-F40(1977年頃発売? 定価不明)
2006年12月30日 ハードオフ新発田店で購入

懐かしいソニーのDuadカセットと一緒に。(画像クリックで特大画像をご覧いただけます)

アイワといえば現在ではかなりマイナーなメーカーという印象がありますが、少なくとも1970年代後半におけるオーディオブームの頃においては、アイワのカセットデッキは絶大な人気を誇っていました。管理人も一時期アイワの製品を使っていたことがありますが、1980年代に知人に譲ってしまったような記憶があります。このAD-F40という機種に関してもネットで検索しても殆ど情報は得られませんでしたが、電源コードに1977という文字が印刷されていることから、1977年〜1978年頃の製品と思われます。定価では59,800円〜69,800円クラスでしょうか。高級機ではありませんが、このデザインは何時間眺めていても飽きることがありません。


左右のレベルメーターの間にはピークレベルメーターも装備されています。(画像クリックで拡大されます)


Lチャンネルのメーターはテープの残量計を兼ねています。テープの長さやハブの大きさなどによって目盛りが分かれていますが、精度は高いものではありません。当時はエアチェック(死語)ブームの真っ最中で、FM放送からお気に入りの曲を録音していたものですが、大きな音の時に音が歪まないよう、録音レベルには細心の注意を払ったものです。チューナーにレックキャリブレーションが付いていればそれを基準に、付いていなければNHKの時報音を基準にレベル調整をしたものですが、それでもピークで音が歪んだり、小さい音の時にサーというテープヒスノイズが耳障りに感じられたものです。この機種にはテープヒスノイズを軽減するためのDOLBYシステムが内蔵されています。この当時はまだDOLBYといえばBタイプが主流でした。またFM放送に乗せられている19kHzのパイロット信号がDOLBYシステムに誤動作を与えることがあったため、この機種ではDOLBYをONにするのと同時にMPX(マルチプレックス)フィルターもONになる仕組みになっていました。


ヘッド部分を上から見た画像です。

中央が録再ヘッド、左側の白いヘッドが消去ヘッドです。未清掃の状態ですが、ピンチローラーも含めて比較的キレイな状態です。


どんな銘柄のテープが入っているか一目瞭然です。

残量確認窓の背後に照明が設置されているためテープの残量が一目で分かります。レベルメーター兼用の残量計で大まかな残量を把握して、最終的にはこの残量確認窓で残りをチェック、もう1曲入りそうにないなと感じたら急いでテープを取り出して裏返したものですが、その際に裏返した箇所から録音を始めるか、それともB面の頭まで戻して録音を始めるか、そのへんの判断は非常に難しいものがありました。


テープセレクターはバイアス、イコライザー独立3段切り替えです。

この当時は大きく分けてNORMAL(LH)…今のノーマル、Fe-Cr(フェリクローム)、CrO2(クローム)…今のハイポジ、の3つのタイプのテープが発売されており、その特性に合わせて録音バイアスと再生イコライザーを調整して使っていました。テープセレクターの上部にあるBIAS FINE ADJUSTツマミは、録音バイアスを更に細かく調整するためのもので、初めて使うテープの場合、何度か録音再生を繰り返してみて、なるべく高域がフラットに再生されるように微調整を行ないました。特にノーマル系のテープにDOLBYシステムを使用する場合、高域特性がフラットになっていないと高域が甘くなることが多く、バイアスの微調整には気を遣ったものです。

外観のコンディションについて。

写真で見る限り非常にキレイな状態に見えますが、実は買ってきたときは最悪の状態でした。ボタンやスイッチ類のアルミ部分やメッキ部分に汚れやサビが多く発生していて、触るのも嫌な状態でした。それを綿棒とコンパウンド(ピカール)を使って下地を痛めない程度に汚れを落とした結果、このようなキレイな状態になりました。

カバーを外してみる。(画像クリックで特大画像をご覧いただけます)

カセットデッキの中身ってこんなに複雑な構造になっていたんですね。


モーターはFGサーボモーターが使われていました。



内部は配線の嵐。

こんなの分解したら容易には元に戻せないのでバラすのやめときますわ。


さて肝心の再生確認ですが…。

さて肝心の動作確認ですが、残念ながら動作しません!正確にいうとモーターは回るのですが、ゴムベルト類が全て欠損しているため、テープも回りませんし、カウンターも回らない状態です。ハードオフでは「再生しません」という表示がありましたので動かないのは100も承知、もともとインテリアにと思って買った品物ですのでOK。ちなみに購入価格は税込105円でした。不動品とはいえ105円でこれだけ立派な置物が買えれば御の字です。


モーターの先端(画像中央やや左下)に黒いものがグジャグジャっとなっていますが、これが恐らく切れてモーターに巻き付いたゴムベルトの残骸と思われます。また左側の白いプーリーはカウンターを駆動するためのものですが、ここに付いていたと思われるベルトも切れて辛うじて残骸が残っています。しかしそれ以外はとても良い状態ですので、一度専門業者に見てもらう価値がありそうです。

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  2007年1月13日

安良町交通博物館 管理人:安良町経由村上行き

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