ハードオフお買物日記(2006年10月14日)2008年11月30日掲載

TRIO FM STEREO TUNER KT-8300編

TRIO FM STEREO TUNER MODEL KT-8300(1978年発売 当時の定価63,000円)
2006年10月14日ハードオフ紫竹山店で購入ジャンク品 3,150円
(全ての写真は画像クリックで拡大画像をご覧いただけます)

以前紫竹山店を訪れた際には水平に置かれていたこのKT-8300ですが、
今回同店を訪れてみるとタテにしてジャンクの棚に押し込まれていました。
KT-8300といえばKT-9900やKT-9700程ではないもののFM専用機として人気の高い機種、
そのKT-8300がタテ置きにされて棚に押し込まれているのを発見したら保護せずにはいられませんでした。
客が棚から出したり入れたりを繰り返すことによって確実にサイドはキズだらけになっていくからです。
価格は3,150円とハードオフとしては良心的な価格でした。


メーター周辺は直線を基調としたデザインになっています。

POWERスイッチは形状に問題があるようで、折れているものを多々見かけます。


しかし安いのには理由がありました。値札には気になるコメントが添えられています。
「時々受信できなくなりますが、叩くと受信できるようになります」と…。
「叩くと受信できる」って…、昔の真空管のテレビやラジオじゃあるまいし。
ハードオフといえばかつてのオーディオ専門店「サウンド北越」、
それが「叩くと受信できる」というのはいかがなものかと思いつつも、
どうせどこかのスイッチの接触不良だろうと思って購入を決断しました。


デザインは至ってシンプルです。

当地でFM新津やFM新発田を受信するときにIF BANDをNARROWにするとノイズが減るのが実感できます。




動作確認

気になるコメントが付いていた割には何の問題もなく受信できるようです。
これは儲けものだったなと喜んでいたのですが、喜びは長くは続きませんでした。
何日か経った頃、値札通りに「時々受信できなくなる」という症状が表れ、
またまた値札の通りに「叩くと受信できる」という状況になったのです。
んー、どうしたものか…と思いながらしばらく使い続けたところ、
購入から1ヶ月経った11月14日、ついにウンともスンとも言わなくなりました。


カバーを開けてみる。





そしてしばし放置プレイ。

「私はこーこーよ!」という声が聞こえたような気がしたので、
久しぶりに電源を入れてみました。2007年1月17日のことです。
「2ヶ月も君を放置して…                 本当にすまないと思っている」と。
そしたら2ヵ月の放置プレイに満足したのでしょうか、正常に受信できるではありませんか。
ところがちょっと移動させたりすると機嫌を損ねるようで、音が出たり途切れたりラジバンダリ…と。


周波数直線型5連バリコンが採用されています。



というわけで早速分解。
目視で確認した限りでは特に問題なさそうで、どこが悪いのか分かりません。
そこで裏蓋を開けて半田面を確認することにしました。
ドライバーのプラスチックの柄の部分で半田面を軽くトントンと叩いていくと…、
その衝撃で音が出たり途切れたりラジバンダリ…する箇所が2箇所見つかりました。
どうやら半田クラックが原因だったようです。
そこでその周辺の半田の盛り直しを行なって、先程よりも少し強めに叩いてみましたが、
今度は音が途切れることもなくちゃんと受信できるようになりました。


基板全景

特に高級な部品は使われていないようです。


この製品にはサーボロック機構というのが付いており、
チューニングダイヤルを回して目的の局の±75kHzの範囲まで同調を取った時点でダイヤルから手を離すと、
チューニングメーターがスッとセンターに引き込まれていって受信周波数がロックされます。
チューニングダイヤルに手を触れているときには"LOCK/TUNE"ランプが暗く点灯、
ダイヤルから手を離して周波数がロックされると明るく点灯します。
最初はこのへんの仕組みが理解できずに故障しているのかと思いましたが慣れると実に便利な機能です。


ダイヤルスケール部分の照明は上向きに取り付けられています。

2個のランプでダイヤルスケール全体をムラなく効率的に照らしています。


受信感度も良好で音質も優れていますが、やはり発売当時の曲の方がバランスよく再生されるようで、
今風の曲よりもFM-PORTの"Sポップ・ゴールデンアワー」で流れるような少し昔の曲の方がリアルに聞こえるようです。
ただ男女ともにナレーションが若干鼻詰まり気味に聞こえることがありますが、
送信所までの距離を考えると、マルチパス現象の影響が出ているのかも知れません。


背面全景

F栓、75Ω直付け、300Ωの3種類のアンテナ端子が装備されています。


晴れてシステムに組み込み完了。

ラック上段から「DENON PMA-1000G」「TRIO KT-8300」「SONY CDP-555ESJ」「SONY CDP-337ESD」
スピーカーは「VICTOR Zero5 Fine」全てジャンク品です。


半田補正を行なってから今度は1年と10ヶ月の放置プレイを経て、
2008年11月に晴れてシステムに組み込むことになりました。
このクラスの製品は使ってナンボの世界ですから使わにゃ損ですしね。
超久しぶりに電源を入れたら最初のうちは少しボソボソ文句を言っていましたから、
コンデンサの劣化でも始まっているのかも知れませんがすぐに治まりました。

その後、何日か使ってみましたが音切れも発生することなく正常に受信できているようです。
しばらくはこのKT-8300を使って行こうと思っています。


(追記)

某リサイクル店でこのKT-8300とペアを組むKA-8300というアンプが4200円で売られていました。
チェック時動作しました(ガリあり)ということだったのですが、
外観が良好だったので買ってきたところ、内部は埃だらけ。
その埃を丹念に取り除いてCDプレイヤーを接続したところ、
再生は出来ますが表示どおりにガリが発生します。

5分くらい経った頃、カチっと音がして音が出なくなったのと同時に煙が上がりました。
慌てて電源OFF、数分経ってから電源再投入してみるものの音は出ることなく、やはり煙が出る始末。
私的には例え無保証、返品不可のジャンク品であっても、
電源投入後数分で煙が出るような商品を売ったらマズイんじゃないの?という気持ちが大きいですが、
仮に返品するにしてもそこまで行くだけの時間やガソリン代を考慮するとバカらしいので、
解体して電源スイッチのレバーなど、使えそうな部品を確保して、残りは廃棄処分にすることにしました。
せっかくKA-8300とKT-8300のペアが組めると思ったのに…、悔しいです!


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2008年11月30日
安良町交通博物館 管理人:安良町経由村上行き

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